金王八幡宮の向い側の豊栄稲荷神社に行く。
この神社の境内には、庚申塔が多数置かれている。
庚申塔は、人の体内にいる三尸(さんし)の虫が庚申の夜天に昇って、その人の罪過を
天帝に告げるというので、庚申の夜は眠らずに言行を慎み健康長寿を祈念する信仰遊戯が
行われた。
その講中の者が建てた庚申塔には青面金剛が彫られており、またその神徒である猿が
見ざる、聞かざる、言わざるという謹慎の態度を示しているものが多い。
ここには、近在にあったものを集めたという13基の庚申塔があるが、その像容は多種で、
一般的な六臂の青面金剛に天邪鬼や三猿がいるもの、青面金剛像だけのもの、
また三猿だけのものがある。
その中で延宝3年(1675)の三猿だけの庚申塔が最も古いものであった。 |